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バカな男に私は夢中
第7章 素直

(好きじゃない好きじゃない好きじゃない!)

呪文のように唱える。

斎藤が驚いたように私を見ていた。

「熱でも..あるんか?」

「な、ななななないわよバカ!」

「バカって..ひどいわ心配したのに..」

「..あ、ごっごめん..」

私が謝るとクスクス笑い出した。

「ぼーっとした顔やら怖い顔やらしゅんとした顔やら....ほんま百合ちゃん百面相やで」


「な、....」


ずっと笑っている斎藤から目をそらす。

すると笑いが止まって私に近づいてきた。

「..なぁ..もしかして..」


「な、なによ....」

私は思わず身構えた。

「百合ちゃん....俺のこと意識しとる?」
「......!?」

言い当てられて咄嗟に反応できない。

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