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バカな男に私は夢中
第7章 素直

「ほななー!」

「あ、斎藤く..」

ドアが閉まる直前に私が名前を呼ぶと、彼は目を見開いてギリギリの所で急いで下りてきた。

(なんで私呼び止めてんの..下りてきちゃったじゃん..)

申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

「どないしたん?百合ちゃんが呼び止めんの初めてやん!」

嬉しそうに私を覗き込む。

(どうしよう....)

私は迷った挙げ句決心した。

「あ、さ、さっき....」

「ん?」

「さっき....ごめん..」

「何のこと?」

本当にわからないといった様子な斎藤。

「だから!意識..するとか..しないとか..」

ゴニョゴニョと言うと、あぁ!と斎藤が頷いた。

「ええよ別に!なんやそんなことかいな!」
「だ、だって、傷つけた..気がしたから。」

「まぁ分かっとることやし?百合ちゃんは優しいなぁ。」

そういって私の頭を撫でる。

ドキ....

鼓動が激しくなる。
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