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こころから
第2章 直人1
幸い、新しい就職先はすぐに見つかった。
面接を担当してくれたひとが、
ぼくの前の職場のもろもろの事情を聞いていて、
気の毒がってくれたのだ。
キャリアを買ってくれたわけではなかったが、
雇ってもらえたのは正直ありがたかった。
そのときには、美香には仕事に慣れてから伝えればいいか、
という気になっていた。
配属された先の部長は女性で、年齢はおそらく四十代前半か、
もしかしたら三十代かというふうに見えた。
スーツを完璧に着こなし、いつもきりっとした表情で一分の隙もない。
キャリアウーマンという言葉ぴったりだった。
給料がもらえればまあそれでいい、
という、ぼくのようなタイプとは違う、
少し冷たい感じのする、別世界の人間という印象が強かった。
面接を担当してくれたひとが、
ぼくの前の職場のもろもろの事情を聞いていて、
気の毒がってくれたのだ。
キャリアを買ってくれたわけではなかったが、
雇ってもらえたのは正直ありがたかった。
そのときには、美香には仕事に慣れてから伝えればいいか、
という気になっていた。
配属された先の部長は女性で、年齢はおそらく四十代前半か、
もしかしたら三十代かというふうに見えた。
スーツを完璧に着こなし、いつもきりっとした表情で一分の隙もない。
キャリアウーマンという言葉ぴったりだった。
給料がもらえればまあそれでいい、
という、ぼくのようなタイプとは違う、
少し冷たい感じのする、別世界の人間という印象が強かった。