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こころから
第19章 久美子9
 驚いて、え? と声が出た。
さらに驚いたことに、坂井くんのそこは全く勢いを失っていなかった。

「今度いつこんなチャンスがあるかわからない。
もう二度とないかもしれない。そう思ったらもう」

 浴衣の前がはだけて坂井くんのものが丸見えになっていて、
熱のこもった目で迫られて慌てた。

「ちょ、ちょっと待って」

 両肩をがしっと掴まれて正面を向かされた。
間の悪いことに月が思いのほか明るく、
部屋の照明を落としているのに、
坂井くんの顔がはっきりと見えていた。
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