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こころから
第22章 直人11
 まさか怒られたりしないよな、と思いながら近づくと、
久美子さんもベッドから降りてきた。
向かい合って立つと、久美子さんの身長はぼくの鼻のあたりで、
そう思ったら頭が下がっていって、
あれ、と思うと同時に、前を隠していた手をそっと引き剥がされた。

「うぁっ」

 期待する一瞬前に快感に包まれて、思わず腰を引いた。
信じられないほど温かく、とろけてしまいそうなほど滑らかな感触。

「ああ、そんな、久美子さん」

 想像するのも申し訳ないと思っていた光景だった。
あの牧原部長が、と思うとさらに興奮した。
いつも厳しい牧原部長が、一糸纏わぬ姿でぼくの前に跪き、
口を使ってくれている。
ぼくの臭いと味を感じてくれている。

「うっ、く……」
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