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こころから
第3章 久美子1
 夫だけじゃない。
もうだれも私を女だと見てくれない……

 そう思うと悲しい。
もう一度女として輝きたい、
とまでは言わないけど、
このままくすんで、錆びて、擦り切れて、
終わってしまいたくない。
ちらりと時計を見る。
夫は少なくともあと一時間は帰らないし、
娘の帰りはもっと遅い。
カーテンをぴっちりと閉め、テレビを消し、
念のために玄関の施錠を確認した。
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