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第31章 久美子１５

　きゃっきゃと笑いながら、体をよじって逃げた。
わりと本気で捕まえようとするので、私もわりと本気で逃げて、
でもやっぱりすぐに掴まって、ベッドに連れ戻されて、
さらに逃げて、と繰り返しているうちに、余計汗ばんできてしまう。

「やめろー、シャワー浴びさせろー」

　久しぶりにお腹の底から笑った気がする。
笑ったせいか、それとも別の理由か、
お腹がじんわりと温かい。

　このときはまだ余裕があったけど、
さすがに両手を掴まれてばんざいの恰好をさせられて笑えなくなった。

「本気？」

「本気中の本気です。覚悟はいいですか？」

「よくなあぁっ」