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こころから
第32章 直人16
 顔を隠す久美子さんの手に、
ぼくの唇の足跡をいくつも残す。

「顔見せてください」

 そっと引き剥がす。
案外素直に顔を見せてくれて、まだ顔は赤いままで、
怒っているのか困っているのかよくわからない表情をしていた。

「久美子さん、すごいかわいい……」

 自分のおしっこのついた口は嫌かなと思い、
頬にキスしようとしたら、
久美子さんのほうから唇を求めてきた。

「おしっこ、掛けちゃってごめんね」
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