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こころから
第44章 直人22

 ひとりでは到底得られない快感に、
ぼくは久美子さんの中で射精をした。
射精しながら、久美子さんも絶頂を迎えてくれているのがわかって、
より幸福感が増す。

 繋がったまま、ぼうっとしたままの久美子さんの顔中にキスをする。
満足そうにうっとりとした顔の久美子さんを見られる最高の瞬間、
と思っていたら、急に肩に噛みつかれた。

「いててっ、ちょっと加減して、本気で痛い」

「やめてって言ったのに、やめてくれなかった」

 ぼくを睨んで久美子さんが言う。
甘えるように拗ねた声が、かわいくてしょうがない。

「一分もたなかったのは久美子さんのほうでしたね」

 反論できない久美子さんの痛いところをつけて、
にやにやが止まらない。
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