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こころから
第48章 直人25
 前にも後ろにも人影がないことを確認して、
ぼくは久美子さんの頬にキスをした。

「誰かきたらすぐやめますから」

「だめ、やめて」

 強引に抱き締めて唇を奪おうとしたけど逃げられた。
久美子さんが歩き出すので慌てて後を追う。
追いついて横に並ぶのと同時くらいに、
ねえ、と久美子さんが問いかけてきた。

「そんなに、見たい、の?」

「え?」

「私が、その、……してるとこ」
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