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こころから
第48章 直人25
一瞬すごく声が小さくなって聞き取れなかったけど、
たぶんきっと、絶対に、おしっこと言った。
「めちゃくちゃ見たいですっ」
前のめりにぼくは言い、
久美子さんはうつむいたまま歩き続ける。
路地を抜け大通りに出たところで、
車の騒音にかき消される一瞬前に、
金曜日にね、と確かに言ってくれたのを、
ぼくは聞き逃さなかった。
喜びが爆発しようとしている最中、
自分でも説明できない衝動にかられて、
ぼくは後ろを振り返った。
青いトラックが、すぐそこにまで迫っていた。
たぶんきっと、絶対に、おしっこと言った。
「めちゃくちゃ見たいですっ」
前のめりにぼくは言い、
久美子さんはうつむいたまま歩き続ける。
路地を抜け大通りに出たところで、
車の騒音にかき消される一瞬前に、
金曜日にね、と確かに言ってくれたのを、
ぼくは聞き逃さなかった。
喜びが爆発しようとしている最中、
自分でも説明できない衝動にかられて、
ぼくは後ろを振り返った。
青いトラックが、すぐそこにまで迫っていた。