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こころから
第51章 久美子25
 続けて襲われたのは、
耳が痛いほどの轟音、
爆発的な風圧、
空気が破裂したみたいな衝撃、
そして何か焼けたような異様なにおい。
怒号と悲鳴。
何が起こったのかわからなくて、
隣にいたはずの直人くんが見当たらない。
目の前は銀一色。
倒れたときに手のひらを擦りむいたらしくてひりひりする。
直人くんって呼ぼうとして、
今は直人くんって呼んじゃいけないんだって思い出して、
坂井くんって呼んだけど自分の声が震えていてびっくりした。

「大丈夫ですか、怪我ありませんか」

 男のひとの声が聞こえて、なんだ直人くんそこにいたのって思ったけど、
声を掛けていたのは全然知らないひとで、ますます私は頭が混乱する。

「万が一ガソリン漏れてたら、引火するとやばいんで離れましょう」
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