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第5章 久美子２

　まあ予想はしていたけど、まんまとワンピースを買わされた。
それもけっこうなお値段だった。
たぶん前から目をつけていてチャンスを伺っていたのだろう。

　だいたい少し前から怪しいと思っていたのだ。
美香が最近ハマっているドラマ。
美香につられて私も一緒に見ているのだけど、
主役の女の子の、お母さん役の女優さん。
その女優さんに、私が似ているというのだ。
母親役をやるようになってから売れだした女優さんで、
美人だなーと思っていた。
確か歳は同じだったはず、と満更でもない気持ちになって、
鼻を膨らませてこっそり鏡で見比べてみたけど、
どこからどう見ても似ているように見えなかった。
明らかにお世辞だ、今度は何が欲しいんだ、と一応は警戒していた。