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こころから
第1章 直人
 がさごそ雑音が聞こえ、耳をすませていると、
かすかに、シュィーっと音が聞こえてきた。
チョロチョロチョロと、便器に貯まった水が音を響かせる。
今この瞬間、久美子さんは下半身を露出させて、
排泄を行っているのだと思うと興奮した。

 目を閉じて聞き入っているぼくの耳に、
「はい、おしまい、ばかっ」
と聞こえ、通話は終了した。

 今はだれも呼び掛けないでくれよ、と思う。
ぼくはいわゆる、おちんぎん状態になっていて、
立ち上がることができない。
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