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こころから
第15章 久美子7
 すっかりと意気消沈してしまって、
夫に手抜きの晩御飯を食べさせてしまった。
美香がいないリビングは静かで、いつもより照明まで暗く見える。
手早く洗い物を済ませ、ぱぱっとお風呂に入って布団に潜りこんだ。
先にベッドに入って本を読んでいた夫が気を利かせてくれたのか、
すぐに灯りが消された。

「今日は何だか元気がないね」

 暗くなった寝室に、夫の低い声が響く。

「そんなことないわ」

 髪に触れられた気配がして目を開けると、
夫の顔がすぐそこにあった。
え? と思うと同時に、
夫の手がパジャマの中に滑りこんできた。
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