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言葉に出来ない
第6章 I LOVE YOU〜美由
「さあ。
座りましょうか?」と、
亮平さんのお父様が言って、
着座を促した。


仲居さんが飲み物を訊いてくださり、
部屋を出ると、
部屋の中が静寂に包まれた。


すると、亮平さんが、その静寂を破るようにハッキリした声で言った。


「こちらの小川美由さんと結婚します。
彼女は一人っ子なので、養子に入ります」
と、一気に言い放った。


また、沈黙。

そして、それを破るように、
京都のお祖母様が、カラカラと笑い声を上げた。


「まあまあ。
この子ったら、せっかちやねぇ。
一献して和んだ頃に、
お話すればええやろ?」と言いながらも、
目は笑ってないようで、
少し怖くなってしまう。


「大切な話は、
酒を飲む前にするべきだろ?」と、
少し喧嘩腰で言うので、

「亮平さん…?」と言いながら、
少し声が震えてしまう。


「ほらほら。
お嫁さん、びっくりしはってるし…」と言われて、

「えっ?」と声を出してしまう。


お嫁さん…?
お嫁さんって言ってくださってる?


亮平さんも、少し驚いた顔で、
京都のお祖母様を観ている。


「百合子さんから聴いてるし。
亮平の一目惚れやろ?
可愛らしいお嬢様やし。
別に次男やし、
お婿さんでもええやろ?」と、
亮平さんのお父様を見ると、
お父様も頷いてくださる。


なんだか、余りにもことが上手く運び過ぎて、
驚いて横浜のお祖母様を見ると、

「だって、産まれた時から良く存じ上げているお嬢様ですもの。
女学校の頃からの親友のお孫さんなんだから、
間違いないって、お伝えしたのよ?」と言う。

私のお祖母様も、

「わたくしも、亮平さんが中学生で横浜にいらした頃から、
お茶室でお会いしたり、
百合子様からお話伺ってましたわ。
偶然、病院で、診察していただいた時は、
立派になられていてすぐには気が付きませんでしたけど、
ご縁があったのねと嬉しく感じましたわ」と言うと、

「どうぞ末永く宜しくお願い致します」と頭を下げた。



とても和やかな空気に包まれて、
ホッとした時だった。



「私は反対です。
婿入りだなんて!」と、
亮平さんのお母様が拳を握りしめながら震える声で言った。
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