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唐草の微睡み
第10章 2人だけの夜
2人はしばらく繋がったまま動けないでいた。

今にも崩れ落ちそうな花凛の腰を、優しく龍星が支えてくれている。

ようやく2人の荒い呼吸が収まり、龍星はゆっくりとペニスを引き抜いた。

龍星が手を離すと、花凛はその辺にへなへなと倒れ込んでしまった。

「お、おい?!花凛??大丈夫か??」
龍星が慌てて花凛の腕を取り、抱き起こす。

「…う、うん。大丈夫。こ、腰が抜けた…」

「はぁ?腰が抜けた??!
あーっはっはっはっはっ!ウソだろ?抜けるわけないから。
しかし花凛。後がよっぽど良かったんだな。」


龍星は花凛を抱きかかえて、長椅子に座らせてくれた。


月はとっくに沈み、辺りは闇に包まれていた。

月の沈んだ空は、星が宝石箱をひっくり返したようにキラキラと輝いていた。

花凛と龍星は2人で長椅子に座って、ずっと星を眺めていた。


空が少しずつ白みはじめてきた。

2人だけの夜が終わりに近づく。

「ずっと続けば良いのにな。この時間が。」
長い静寂を破って龍星がポツリと呟く。

「そうだね。」
花凛も答える。



「…帰らないとな。」

「…そうだね。」

終わってしまえば今宵のことは、なんだか夢の中の出来事のようにも思える。

まだ夢の中にいるような、ふわふわとした身体を現実に戻すために、花凛は勢い良く立ち上がった。

寝不足のダルい身体を叩き起こして、衣装を整える。



「花凛!行くぞ!」
先に東屋から出た龍星が、ことさら明るい声で花凛を呼んだ。

「うん!」
花凛も目一杯の元気な返事をして、龍星の後を追いかけた。



2人が宮廷に帰ってきたのは、もう小鳥たちがせわしなくそこら中を飛び回っている時間だった。

「ギリギリだったな。」
龍星がニヤリと笑う。

なんだか、2人でこっそり悪戯をして帰ってきたような気分になって、花凛も一緒にニヤリと笑う。

「多分、次に会えるのは婚礼の日だ。何だかんだで体力勝負だからな。ゆっくり休んどけよ。」
花凛の部屋の前まで送ってくれた龍星は、手を振りながら帰って行った。
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