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あの海の果てまでも
第1章 運命の舟
「…ひとが…見ます…」
消え入りそうな、小さな声…。
大紋は温かく微笑い、薄桃色に染まった耳朶にキスをする。
「見せてやるよ。
僕の綺麗な自慢の暁を。
…いや、他人にこんな色っぽい美人を見せるのは危険だな。
やっぱり見せるのはやめよう」
大紋は真顔になり、暁を人目から遮るように立ちはだかった。

「…もう」
思わず苦笑する。
「でも、どうしてあんなこと…。
わざわざ他人に話したんですか?
別に今まで通り、言わなくても…」
…どうせこれから外国に行くのだ。
大半のひとは、もう二度と会わないだろう。

端正な男の貌が、凛々しく引き締まる。
「いや。
それではだめだ。
今まで通りではだめなんだ。
僕はこれからは暁との関係を隠さないと決めたんだ。
周囲のひとに、正々堂々と明らかにしたい。
僕たちが愛し合っていることを。
…もう、嘘は吐きたくないんだ。
僕が最初から君との仲を隠したりしなければ、暁も…絢子も傷つけないで済んだのに」
苦しげに眉を寄せる。

「…春馬さん…」
大紋の大きな手が、暁の艶やかな黒髪を梳き上げる。
「君を日陰の存在になど、決してしない。
いつも僕の隣で、笑っていて欲しい。
…そして、ずっと一緒に生きていこう…」

…愛しているよ、暁…。

愛の言葉は、ふわりと潮風に運ばれてきた。

涙で滲んで、大紋の貌がよく見えない。
「…春馬さん…僕は…」
…本当は、その言葉をずっと欲しかったのだと…。
…貴方から、その言葉を聴きたかったのだと…。

伝える代わりに、暁はこう答えるのだ。
…愛おしい男の胸に貌を埋め…

「…愛しています…春馬さん」






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