この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あの海の果てまでも
第4章 新月の恋人たち 〜新たなる運命の扉〜
「…朱さん…」
暁が口を開いた時、店の扉が威勢よく開いた。
「おい。藍。
またアルフレッドから荷物が届いたぜ。
あいつ今、ギリシアに居るのか。
全く、神出鬼没だな」
白いシャツに黒いワークパンツといういでたちの筋肉隆々な三十歳手前くらいの男が大きな木箱を抱えて入ってきた。
浅黒い肌をしているが、凛々しい目鼻立ちはアジア人のようだ。
「お、珍しくお客さんか」
男は暁に目を止め、眉を上げた。
「珍しく…は失礼ですね。ロン」
浩藍は親しげにいなし、暁を振り返った。
「彼はロン。私の友人です。
物流会社のオーナーで…でもまだ小さな会社なので、自ら荷物の配達人もしています。
…本名は、尊龍です」
暁はあっと眼を丸くした。
「…え?
…じゃあ…あの…」
浩藍がにっこりと微笑んだ。
「ええ。
船の中で私に山査子飴をくれた、心優しき船員さんです」
暁が口を開いた時、店の扉が威勢よく開いた。
「おい。藍。
またアルフレッドから荷物が届いたぜ。
あいつ今、ギリシアに居るのか。
全く、神出鬼没だな」
白いシャツに黒いワークパンツといういでたちの筋肉隆々な三十歳手前くらいの男が大きな木箱を抱えて入ってきた。
浅黒い肌をしているが、凛々しい目鼻立ちはアジア人のようだ。
「お、珍しくお客さんか」
男は暁に目を止め、眉を上げた。
「珍しく…は失礼ですね。ロン」
浩藍は親しげにいなし、暁を振り返った。
「彼はロン。私の友人です。
物流会社のオーナーで…でもまだ小さな会社なので、自ら荷物の配達人もしています。
…本名は、尊龍です」
暁はあっと眼を丸くした。
「…え?
…じゃあ…あの…」
浩藍がにっこりと微笑んだ。
「ええ。
船の中で私に山査子飴をくれた、心優しき船員さんです」