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あの海の果てまでも
第4章 新月の恋人たち 〜新たなる運命の扉〜
「暁?…兄さん…て、礼也からなの?」
驚く大紋に答えることなく、暁はそのまま二階への階段を駆け上がる。
「暁!」
背中に掛かる声に
「ごめんなさい。春馬さん。
少しひとりにさせて」
早口で答え、自室に駆け込んだ。
…兄さん…兄さん…兄さん…!
心臓が苦しいくらいにどきどきと高鳴る。
暫く手紙を胸に抱く。
…夢じゃない…夢じゃないよね。
大丈夫。
封筒の角が柔らかく暁の手のひらをそっと押す。
…夢じゃない…。
やがて、恐る恐る開封しようとするが、手が震えて上手く封を開けられない。
落ち着いて、落ち着いて…。
自分に言い聞かせる。
迅る気持ちを抑えつつ破かないように大切に封を開け、中の便箋を開いた。
…礼也の愛用の香水がふわりと鼻先を掠める。
「…兄さん…」
泣き出しそうになりながら、暁は手紙に眼を走らせた。
驚く大紋に答えることなく、暁はそのまま二階への階段を駆け上がる。
「暁!」
背中に掛かる声に
「ごめんなさい。春馬さん。
少しひとりにさせて」
早口で答え、自室に駆け込んだ。
…兄さん…兄さん…兄さん…!
心臓が苦しいくらいにどきどきと高鳴る。
暫く手紙を胸に抱く。
…夢じゃない…夢じゃないよね。
大丈夫。
封筒の角が柔らかく暁の手のひらをそっと押す。
…夢じゃない…。
やがて、恐る恐る開封しようとするが、手が震えて上手く封を開けられない。
落ち着いて、落ち着いて…。
自分に言い聞かせる。
迅る気持ちを抑えつつ破かないように大切に封を開け、中の便箋を開いた。
…礼也の愛用の香水がふわりと鼻先を掠める。
「…兄さん…」
泣き出しそうになりながら、暁は手紙に眼を走らせた。