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第4章 記憶の真実

どこに？
ほぅら、あそこに。
女の子はわたしがいる窓を指差している。
その子のお母さんが近づいてきた。
窓際まで来るとわたしをジッと見つめている。
わたしは視線を逸らしたかったが
この子ったら、誰もいないじゃないの。
脅かさないでね。真希ちゃん。
え？
あの女の子…真希って名前なんだ。笑
お幸せにね。真希ちゃん。
わたしはそこを離れようと歩き出したら声をかけられた。
お姉ちゃんだあれ？
わたしが振り向くと女の子が窓際から声をかけてきた。
お姉ちゃんが見えるの？
うん！見えるよ。
お姉ちゃんはね、天使さんよ。
そう…悪いことが起きないように見守っているの。
じゃあお巡りさんだね。
ふふ…そうかもね。笑　
真希のママを守ってくれる？
もちろんよ。
真希ちゃんのことも
真希ちゃんのパパも守ってあげる。
ありがとう！お姉ちゃん。
真希ちゃんは大きくなったら何になりたいの？
真希はねぇ…ケーキ屋さんかお花屋さん。
…うふ。わたしもこの年の頃は同じだったなぁ。
でもね…真希、お姉ちゃんみたいなお巡りさんにもなりたいな。
そっか。
お巡りさんになって、パパとママを守るの。
そう…守ってあげてね。
そして、大切にしてあげてね。
パパとママよりも先に死んだらダメよ。
もちろん。じゃあね〜お姉ちゃん！
可愛いわね。
それから知ったんですけど、高橋くんは
ネット民からの連絡を受けて、あのアパートに踏み込んで
容疑者の2人を逮捕したらしい。
わたしの亡骸を草むらで発見して自分を追い込んでしまったらしく、
警官をやめてしまった。
今ではどこで何をしているのか分からない。
わたしはというと真希ちゃんと別れたあとに身体がふわふわと宙を舞った。
そう…あの薬を飲んだときのように。
あのとき自分が亡くなっていたことに気づかなかったのは、
わたしが幽体でありながら、記憶喪失のままだったからに
他ならない。
そんなことが本当に起こるのか定かではないが
わたし自身の実体験なんだから間違いない。
こうしてこの話しを終えることにします。

最後まで読んでくださってありがとうございました。
また機会がありましたら、
わたしの話しを聞かせたいと思います。

真希より