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ヒトガタ
第4章 記憶の真実
警官にならずに生きていたら、わたし。
誰かと付き合って、結婚して家庭を築いて…
子供を産んで普通の主婦をしていたはずなのに。
お母さんが願っていたとおりにしていれば。
こんなことにはならなかったはずなのに。
わたしは、バカだ。
高橋くんに言われたとおり応援が到着してから踏み込むべきだった。
もうあとの祭。
すぎてしまった時間は取り戻せない。
その場に泣き崩れてしまった。
もう一度、現場に行ってみよう。
立ち上がると歩き出す。
あのとき、見回りに来たのは高橋くんだったのね。
アイツは責任感が強いからわたしを探していたんだな。
わたしがいなくなって責任感じていたに違いない。
自分を追い込んでいなければいいけど。
わたしが亡くなったのも自分がそばにいてあげれなかったからと。
彼なら思うだろうな。同期だし。
力を合わせて一緒に頑張ってきたなぁ。
ごめんね。高橋くん。
あなたが好きよ…
あなたの妻になっていれば良かったかな。
何だか泣けちゃうね。
そして…お父さん。
お父さんみたいに、わたしはなれなかった。
お父さんの背中を見て育ってきて
いつもお父さんが誇らしかった。
わたしの自慢のお父さんだった。
考えても仕方ない。
わたしにはまだやるべきことがひとつだけある。
ヤツらがどうなったのかだけ知りたい。
誰かLiveを観ていた人が連絡してくれたかしら?
ちゃんと捕まったのかだけ知りたい。
でないと死にきれない。
歩いてほどなくあのアパートに着いた。
あれから一年経過している。
まだアジトにしてないか不安だったが、中には家族が住んでいた。
一般家庭のようだ。
良かった。アイツらはいない。
とっても仲が良さそうな家族だった。
わたしの本当のあるべき姿がそこにはあった。
見ていると涙があふれ出してしまう。
奥さんはエプロン姿でキッチンに立ち笑いながら料理している。
ワンルームを借りるってことはまだ結婚してまもないのね。
結婚一周年…という文字が壁に貼られていた。
あら?そっか…
一年前に籍を入れたのね。
お母さんのそばに3歳くらいの女の子が寄り添っていた。
3歳ってことはわたしが警官に配属された年に産まれたのね。
何かの偶然の一致かしら。ふふ
わたしがアパートの窓から中をジッと見て観察していると
何かの気配に気づいたのか、あの女の子がこっちを
見つめていた。
ママ…誰かいるよ。
誰かと付き合って、結婚して家庭を築いて…
子供を産んで普通の主婦をしていたはずなのに。
お母さんが願っていたとおりにしていれば。
こんなことにはならなかったはずなのに。
わたしは、バカだ。
高橋くんに言われたとおり応援が到着してから踏み込むべきだった。
もうあとの祭。
すぎてしまった時間は取り戻せない。
その場に泣き崩れてしまった。
もう一度、現場に行ってみよう。
立ち上がると歩き出す。
あのとき、見回りに来たのは高橋くんだったのね。
アイツは責任感が強いからわたしを探していたんだな。
わたしがいなくなって責任感じていたに違いない。
自分を追い込んでいなければいいけど。
わたしが亡くなったのも自分がそばにいてあげれなかったからと。
彼なら思うだろうな。同期だし。
力を合わせて一緒に頑張ってきたなぁ。
ごめんね。高橋くん。
あなたが好きよ…
あなたの妻になっていれば良かったかな。
何だか泣けちゃうね。
そして…お父さん。
お父さんみたいに、わたしはなれなかった。
お父さんの背中を見て育ってきて
いつもお父さんが誇らしかった。
わたしの自慢のお父さんだった。
考えても仕方ない。
わたしにはまだやるべきことがひとつだけある。
ヤツらがどうなったのかだけ知りたい。
誰かLiveを観ていた人が連絡してくれたかしら?
ちゃんと捕まったのかだけ知りたい。
でないと死にきれない。
歩いてほどなくあのアパートに着いた。
あれから一年経過している。
まだアジトにしてないか不安だったが、中には家族が住んでいた。
一般家庭のようだ。
良かった。アイツらはいない。
とっても仲が良さそうな家族だった。
わたしの本当のあるべき姿がそこにはあった。
見ていると涙があふれ出してしまう。
奥さんはエプロン姿でキッチンに立ち笑いながら料理している。
ワンルームを借りるってことはまだ結婚してまもないのね。
結婚一周年…という文字が壁に貼られていた。
あら?そっか…
一年前に籍を入れたのね。
お母さんのそばに3歳くらいの女の子が寄り添っていた。
3歳ってことはわたしが警官に配属された年に産まれたのね。
何かの偶然の一致かしら。ふふ
わたしがアパートの窓から中をジッと見て観察していると
何かの気配に気づいたのか、あの女の子がこっちを
見つめていた。
ママ…誰かいるよ。