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第5章 檻の中

。。。。。。。。。

「で…その後、どうなっちゃたの？」

私はいつしか秀子さんの回想に夢中になっていた。

近親相姦というよりも
一組の男女の恋物語のように聴いていた。

「幸いにも妊娠はしなかったわ…
離婚する前の旦那とも、ずっと生でセックスして
いつも中だしをしていたけど妊娠しなかった
もしかしたら、私は子供を作れない体なのかも」

子供を産み、育てるという選択がなくなって
自分は女として不能なのだわと
秀子は寂しそうに笑った。

「その関係は秀悟さんのご両親にはバレずに？」

「ええ、弟夫婦にはバレていなかったと思うわ
存命なら、そのうちバレたかもしれないけど」

「えっ？秀悟さんのご両親は亡くなられたの？」

「あれは秀悟が高二の夏休みの事よ
家族旅行を計画したんだけど
秀悟は家族とのひとときよりも
私とのセックスを選んだの…
仕方なく弟夫婦は
二人だけで旅行に出掛けたんだけど
旅先で事故に遭ってそのまま旅立ったわ」

秀悟は莫大な遺産を手にいれたという。

「当時、私のお店は大赤字でね
それを秀悟が肩代わりしてくれたの…
条件は…この古民家で
永遠に彼に召し使えるということ…」

それ以来、秀子はメイドとして
主である秀悟に尽くしてきたのだと語った。