この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
少女監禁 罠に堕ちる女
第12章 秀子の杞憂

「あ、ごめんなさいね…
私、この辺に住んでいる者ではないので…」
ペコリと頭を下げて
その場をそそくさと立ち去ろうとした。
「この子なんです!
どこかで見かけませんでしたか?」
立ち去らしてたまるものかと
青年は通せんぼするように
秀子の行く手を遮った。
「ごめんなさいね
急いでいるものだから…」
秀子は青年の手を押し退けて
逃げようとした。
だが、一瞬、彼が持っている写真に足が止まった
『えっ?』
その写真に写っている女の子は
かなり野暮ったい制服を着ていた。
どこかの遠足にでも行ったときの写真なのだろう
少しばかりピンぼけだけれど
その面影は…
『聡子さん?!』
秀子は「よく見せて!」と
青年の手から写真を奪い取った。
「あっ!返してください!
聡子が写っている写真はそれだけなんで…」
奪い返そうとする青年の手を払いのけた。
「あなた…この子の…何?」
ヤバいと思いながらも
秀子は思わず聞き返してしまった。
「僕の…彼女なんです!
東京へ行くと言ったっきり
連絡が取れないんです!」
もういろんなところに声を掛けて歩き回っているのか、青年には疲れの色が見えていた。
「少し場所を変えてお話を聞かせて!」
秀子は青年の手を取ると
人目のつかない路地裏に誘った。

