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少女監禁 罠に堕ちる女
第1章 ロストバージン

その日は一学期の終業式だった。
私は教壇に立つ担任の言葉に耳を貸さずに
こっそりと預金通帳を机の下に隠しながら
残高をチェックしていた。
13万5千円…
幼い頃から、せっせと貯めていたお年玉預金…
かなりの金額が貯まっていると思っていたが
所詮お年玉預金なのだからこんなものか…
東京へ行く運賃を差し引いて
いくら残るだろう…
軍資金は多いに越したことはない。
なにせ独り暮らしなんてしたことがないので
いくらあれば何日ぐらい人目を忍んで暮らせるのか
全く見当がつかなかった。
そうこうしているうちに担任の話も終わり
ホームルームが終了したのか
周りのみんなは一斉に席を立ち始めた。
「聡子、帰らないのか?」
後ろの席の林原宗一が私に声をかけてきた。
「今、帰ろうと思っていたの」
私は急いで預金通帳を鞄に突っ込むと
帰り支度を始めた。
教室を出て廊下を歩いていると
宗一はストーカーのように私の後ろをついてくる。
「なに?あたしに何か用?」
「べ、別に…」
私は、わざと歩調を早めて
宗一から遠ざかろうとした
離されてなるものかと宗一の歩調も早くなる。
「何よ!何か用事があるなら言いなさいよ!」
早く帰宅して家出の準備をしたかった私は
心にもなく彼に冷たい言い方をしてしまった。

