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貴方に染まる
第8章 Ⅷ
午前の授業が終わり、担任が教室から出ていくのと入れ替わるように蘭が教室に入ってきた。
「華、行こ」
「うーん…」
「就職の事は帰ってから話そ」
蘭は先のことがもう決まっていていいのかもしれないけど、私は普通に就職をしないといけないからそうもいかない。
説明を受けて求人票を見たいし、職場見学だってあるはず。
「最悪、俺が就職先は何とかしてあげれるから。華に働かせるつもりなんてないけど」
「私は普通に就職したいんだけど」
「だからその事も帰ったら話そ」
綾瀬グループだからって蘭はまだ高校生。
私の就職先まで確保したりするなんてできるとは思えないけど…。