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貴方に染まる
第8章 Ⅷ
結局、言いくるめられてしまって部屋着を買ったあと蘭の家に帰ってきた。
「華の部屋行こ」
私が行くところはそこしかないからいいけど、蘭も来るとなると落ち着かなくなる。
せっかく自分だけの空間なのに。
仕方なく蘭の後ろを歩いて自分の部屋に来ると、蘭はソファに座って隣に座れと隣をポンと叩いた。
「就職の事だけど、華は何もしなくていいよ」
「そういう訳にはいかないよ。卒業したらここを出ていくし、収入がないと困るのは私だから」
「………ずっとここに居ればいい」
「付き合うのは一年でしょ、それ以降はもう縛られたくない」
私は本気だ。
だから先に目を逸らしたくなくて蘭を見ていた。
寂しそうな顔をして蘭は視線を落とした。