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貴方に染まる
第8章 Ⅷ

珠美さんが何か企んでそうな顔をするのを見ると、昔から蘭の事を知ってるんだなぁと感じる。



蘭も珠美さんには心を開いてそうだし、長年使用人をやってるだけあって気配りもできる優しい人。



「さてさて、食べましょうか」と楽しそうに食事を始める珠美さんを見ると気が抜けて少し落ち着く。



一緒にいると和むし、珠美さんみたいな人が母親だったら幸せだったんだろうな、と思う。



「相談したいことってなぁに?華ちゃんから誘ってくれて嬉しいわ」


「蘭の事なんですけど…」


「坊ちゃんの事ならなんでも!半分は私が育てたようなものですからね」


笑いならがそう言う珠美さんを見ると、この家の人の事なんて教えてくれないだろう、と思っていたのが吹っ飛んだ。
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