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貴方に染まる
第10章 Ⅹ
蘭は食べるのも早くて、量の多いそのお弁当を私より先に食べ終わる。
その数分後に私も食べ終わり、片付けるとチャイムが鳴って授業が終わったことを告げた。
「華、もう少しそっち詰めて」
ベンチは広いのに、と思いながら端の方に寄ると膝の上に蘭の頭が乗った。
顔を私のお腹に擦り付けて来る姿は子供みたい。
「眠いの?」
「さっきの授業で寝ようと思ったけど寝てなかったから」
「蘭は人気者なんだね」
「綾瀬の名前に群がってきてるだけ」
「顔が整ってるからじゃない?」
普通に会話してただけなのに、蘭が私の顔を見上げて目をまん丸くしていた。
私、変なこと言ったかな?