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貴方に染まる
第11章 XI

────────…
1ヶ月くらい同じような生活をして、いつも通り昼休みに華を迎えに行った時のこと──…
A組の教室を覗いて華の席に視線を向けると、いつもいるはずの華はいなかった。
机の横にバッグがあるから学校にいることは確かだ。
もしかしたらLINEが来ているかもしれないと思ってスマホを確認したけど、誰からも連絡は来てなかった。
「綾瀬くん!」
トイレにでも行ってるのか?
「綾瀬くんってば!」
制服の裾を引っ張られて漸く誰かに呼ばれていることに気づいた。
背が小さめな女は態とらしく上目遣いで俺の顔を覗き込んでくる。
こういう奴は心底苦手だ。

