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貴方に染まる
第11章 XI
「華ちゃんなら1時間くらい前に前田くんと出ていったよ?」
「は?」
1番聞きたくないやつの名前だった。
そんな奴と2人でどこ行くんだよ。
「ねぇ、私も蘭くんって呼んでいいかな?」
「キモ、俺に近づくな」
「ひ、酷い…っ」
前田の名前を聞いてイライラするのにこんな女が近くにいたら怒りが抑えきれなくなる。
華のバッグを取って、とりあえず学校中を探すことにした。
キョロキョロ探しながら華に電話をかけているけど、華の声を聞く前に留守電になってしまう。
2回目の電話をかけて、また留守電になりそうな時「もし、もし…?」と小さく元気の無い声がきこえてきた。