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第11章 XI

俺が階段を下りていると、丁度調理場から出てきた珠美さんと鉢合わせた。


「華ちゃん何か言ってたかしら？」


「オレンジジュース飲みたいって。買ってくる」


「あら、自分で行くなんて珍しい」



そう言われて、確かに…と思った。


いつもなら使用人にやらせるのに。



やっぱり珠美さんにお願いしようと口を開こうとした。


でも、

「坊ちゃんが買いに行ったなんて知ったら華ちゃん喜ぶわねぇ」

なんて言われたからか、勝手に足が外に向かっていた。



車だけ出してもらい、近くのスーパーで飲み物の売り場に行くとオレンジジュースだけでも種類が沢山あった。


何種類かカゴに入れて、念の為にスポーツドリンクも入れておいた。