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貴方に染まる
第11章 XI
華の部屋に戻り、寝ているのを邪魔しちゃいけないと思いながらもベッドに座って髪を撫でていた。
額に貼ってある冷えピタはもう温かくなっていて貼ってる意味があるのかさえ分からない。
起きたら貼り変えればいいか。
華が寝ている横で何もすることがない俺は一度自分の部屋に戻って漫画を何冊か持ってきた。
ベッドに座り、3冊目の漫画を読み終えた時、華が寝返りを打ちながら俺の方を向いた。
そしてゆっくり瞼が開いていく。
「華?気分どう?」
「………蘭、ごめんね」
「なんで謝るの」
「私が言ったからジュース買ってきてくれたんでしょ…?」
俺がしたくてした事なのに、華はなんで謝るんだろう。
謝る必要なんて無いのに。