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貴方に染まる
第3章 Ⅲ
校門から少し離れたところで車から降り、私は蘭から少し離れて後ろから歩いた。
下駄箱に着けば「綾瀬君っ!」と女子が蘭に近づいて行った。
私と違って小柄なその子は可愛らしく微笑んで蘭を見上げていた。
「今日は私の相手してくれる?」
「は?」
「え、ダメ?お昼休みでもいいし、放課後でも…」
何の話をしてるか分からなかったけど、蘭から離れられるいい機会だった。
上履きに履き替えて歩きだせば、
「華」
と、蘭に呼ばれたけど振り向かずに教室に向かった。
教室に着いて自分の席に座ると、やっと気持ちが落ち着いた。
もう監禁なんて御免だ。
私の意思なんて蘭には関係なくて、ただ欲を満たすためだけの道具でしかない…。