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貴方に染まる
第5章 Ⅴ

少し驚いた顔で「なんだ…」と言われて、こんな人でも心配させて悪かったな、とは思う。



「華でも仮病とか使うんだ」

「まぁ…」

「帰ろ」

「え、授業は?」

「どうにかしておくから大丈夫」



何が大丈夫なのかは分からないけど、授業中に戻るのも注目の的になるし、また明日から真面目に来ればいいか。


蘭について行って下駄箱で靴に履き替えると、校門には見慣れた車が。



今日も無理矢理車に乗せられて車は走り出した。



「あの子とはどうなったの?」

「あの子って?」

「私の席にいた子」



蘭は興味無さそうに「知らね」とだけ言った。


その後はちょっと不機嫌だった。


可愛らしい子だと思ったんだけど蘭のタイプではなかったのかな。


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