この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
貴方に染まる
第5章 Ⅴ
少し驚いた顔で「なんだ…」と言われて、こんな人でも心配させて悪かったな、とは思う。
「華でも仮病とか使うんだ」
「まぁ…」
「帰ろ」
「え、授業は?」
「どうにかしておくから大丈夫」
何が大丈夫なのかは分からないけど、授業中に戻るのも注目の的になるし、また明日から真面目に来ればいいか。
蘭について行って下駄箱で靴に履き替えると、校門には見慣れた車が。
今日も無理矢理車に乗せられて車は走り出した。
「あの子とはどうなったの?」
「あの子って?」
「私の席にいた子」
蘭は興味無さそうに「知らね」とだけ言った。
その後はちょっと不機嫌だった。
可愛らしい子だと思ったんだけど蘭のタイプではなかったのかな。