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さよならフランソワ
第3章 ゲイパーティへのお誘い
 事が終わって、肛門から止めどなく流れ出るフランソワの精液をシャワーで流していると、バスルームにモーリス社長が入って来た。
 先程の執拗な愛撫を思い出し体の芯がキュンとなる。
「オーケー、オーケー」と言いながら、モーリスさんはボディソープを手に取り、ぼくの体を隅々まで丁寧に洗い始めた。
 その指使いに、ぼくの股間が勃起する。考えてみれば、肉体三連結をしながらも先頭のぼくだけが射精していないのだ。
 モーリスさんは屹立したものを見ると、嬉しそうにぼくの体を抱き寄せた。

 バスルームから出た時は、火照った体に服を着るどころか立っていることすら出来ず、フランソワのベッドにうつ伏せに倒れこんでしまった。体中が受け身の性感の塊になってしまっているようだ。
 モーリスさんはバスローブを身に着け、ワイン片手にぼくの背中を撫でまわしながら何事かを囁いている。
「フランソワ、社長はなんて言ってるんだ?」
「あんさんもフランスに来て、三人一緒に住まないかと言うんてはりまんねん。どないします?」
「こ、断って……あふっ♡」
 モーリスさんの指が右の乳首に触れた。
 異国に行くとは言え、気心の知れたフランソワが一緒なら心強い。しかし、三人で暮らしてモーリス社長のテクニックで毎日愛されたら、二度とノンケの世界に戻って来れない気がしたのだ。

 帰国してからもフランソワとはメールでやり取りしている。
 今でも時々モーリスさんの話題が出ると、あの愛撫を思い出して体の奥がうずいてしまう。見目麗しいフランソワの方は彼の地のゲイ社会の寵児になっているようだ。
 この夏には南仏にあるモーリス社長でバカンスを過ごし、ゲイ仲間でパーティを開くという。旅費は持つのでぼくにも是非来て欲しいとお誘いがあった。
 なんでも、フランソワの動画があちらでは人気で“エジプトの奴隷少年”つまりぼく自身も一種のアイドルとなっているそうだ。
 空恐ろしくて、まだ返事を出せないでいる。
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