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第1章 憂鬱

…というわけで、今回インタビューを受けてくださいます女性に
これからインタビューをしたいと思います。
ええと…こちらが海外から帰国されましたセレブ「…結子」さんです。
今回の帰国の目的をお聞きして宜しいでしょうか？
はい。海岸沿いの倉庫を…

…はぁ。志帆は別に見たいわけでないテレビのニュースを流していた。
セレブかぁ…いいわね。お金持ちは…
志帆は財布の中に溜まったレシートを整理していた。
結婚当初は、家計簿をつけ新聞の折込広告を見て安売りの店を探しては
買い物をして貯金したりしていた。
それが、10年経っても今だにアパート暮らし。
こんなんだったら、結婚した時にマイホームを買わすべきだった…と後悔。

…結子さんにはお姉さんの美結さんがいらっしゃったそうですね。
はい。姉は精神的に追い込まれてしまって、今は精神病医にかかって…

溜め息しか出てこない。はぁ…
旦那は結婚十周年も忘れて今日は接待ゴルフに出掛けてしまった。
イライラ…イライラ…
指輪のひとつくらいあってもよくない？
せめて、雰囲気の良い海辺のレストランくらい予約してくれても…
あの人に期待した私がバカだったわ。
私には他に歩む人生があったんじゃないかしら…
今さら…結婚したのを後悔しても始まらない

…ところで結子さんが手掛けてるプロジェクトについて
お聞かせください。
はい。主婦をターゲットにした派遣のようなものです。
主婦の方の空いた時間…隙間時間を利用させていただこうという…

志帆はさっき買い物してきた食材を片付けながら、ポストに入っていた
チラシやハガキなどをゴミ箱に捨てていた。
ん？同窓会のお知らせ？
中学の？この時期に？
参加してみようかしらね。
あの人だって、ゴルフ行ってんだし。
しかし、ハガキって古くない？
今の時代…DMかショートメールかSNSでしょう。
こんな事するのは先生くらいよね。
時代についていけてないのね。
先生らしいわ。
確か、60くらいか、いかないかよね。
あの人が帰ってきたら言っとこう。
…ぴろりん♪
10年も経てば数年もご無沙汰なんて当たり前になってます。
火照ったこの肢体…どうおさめるのよ。
…ぴろりん♪ぴろりん♪
今日はやけに多いのね…
36歳のおばさんなんて抱きたい人なんているの？
私はいいんだけどね。
しゃぶりたい…しゃぶりたい…お◯ん◯んが欲しい。