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プリンスの誘惑
第3章 ~腹黒王子~ (前編)

お兄様は名案だろっとパチリとウインクをする。
「……舞踏会……」
もう一度、あの方に会いたい……
だけど……わたしは舞踏会が苦手だった。
自分でもイヤになるほど消極的で、令嬢の皆様とも上手く喋れない。
「アザレアは一生に一度だけの機会、それを逃してしまったんだ。それなら、今度は見つけだして捕まえなきゃね」
「つ、捕まえる……のですか?」
「うん……素敵な事じゃないか。恋した相手と結ばれるなんて」
「で、でも。どこの誰ともわからない相手なのですよ?」

