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プリンスの誘惑
第3章 ~腹黒王子~ (前編)

シェードさまは、月夜にも負けぬ美しいプラチナブロンドの長めの髪を後ろに流しひとつにまとめ、わたしの心を射抜いた琥珀色の瞳。
その眼差しは穏やかでお兄様のような優しいひとみをしていた。
シェードさまの腕をそっと取る。
見るに明らかな仕立てのよい盛装姿、金糸で刺繍を施された肩章や飾緒。
一見にして身分の高い方だとわかる。
「せっかくの舞踏会、宜しければご一緒に踊りませんか?」
「あ……」
大勢の前で、しかもシェードさまと……
考えただけで、身が固まってしまう。
でも、せっかく誘って頂いたのに……
掴んだシェードさまの腕をキュッと握ってしまう。

