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プリンスの誘惑
第3章 ~腹黒王子~ (前編)

言うなれば……今、抱かれてるようなものだけど。
それとは違う意味なのかしら?
「本当に可愛らしい……アザレア」
そのとき、間近に迫ったシェードさまの唇がわたしの頬にキスをした。
わたしは唇にキスをされるのかとドキドキとしてしまった。なんて、不埒な考えを……
シェードさまがそんな事するわけないのに。
「このままあなたを攫ってしまいたい」
何かの冗談なのかと思ったとき、ふわっとカラダが宙に浮く。
「え、え、あ、あの……シェードさま?」
「アザレア……今日からあなたはワタシの腕の中にいてください」
意味がわからない。
気がつけば、わたしはシェードさまに横抱きをされていた。
突然のことに身を動かそうとするも、シェードさまの腕はしっかりとわたしを抱きしめていた。

