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ハッテンlife
第4章 Second kiss編
そうだよって言えない。言いたくない。

古橋さんとの出会いやその後のいきさつなんて考えると、今さら清純そうな振りをしても全然意味がない。
むしろ、遊んでるくらいに思われた方が都合がいいとすら思ってた。マワされた時だって、車の中で好き勝手に奪われた時だって、なんとも思わなかった。

なのに、今は逆のこと考えてる。
エッチしまくってる身体だなんて思われたくない。

今さらなんで?って感じだし、俺のキャラじゃないことはよくわかってる。でも今、この一瞬だけでも一途ないい子に思われたくて。


「合意でヤったとは思えない。誰にヤられた?」

鋭い視線に厳しい口調。
今まで感じたことがない、古橋さんからの息苦しくなる圧力。
その張りつめた空気に、俺はブルッと身体を震わせた。

「誰だ!?まさか、あの狂楽の湯にいた誰かか!?いや、こんな暴力的なヤツは誰も…ッ…誰だ!?県外まで行ったのか!?お前どこ行ったんだ?それとも学校のヤツか!?答えろッ!」

ぐわぁって、古橋さんの目が怒りでメラメラと燃えているのがわかる。
視線を反らそうとしたら顎を強く掴まれた。逃亡を許してくれない。

耳がツーンと痛くなった。涙が込み上げてきて止まんない。

古橋さんをオカズにして、そして本物の古橋さんが来てくれて、キスしてくれて、幸せで。
それって今からほんの数分前じゃん?なんでこんなことになってんの?

あの時痴漢に遭わなければ。脅されなければ。せめて暴力野郎がこんな痕つけなければ。
今頃は俺と古橋さんは甘い一夜を過ごしていたのにッ!

「なんでなんも言わないんだよ!?この痕、どう見ても合意じゃない。レイプされたんだろ!?だからお前元気なかったんだろ?だったら今俺に言えよッ!頼れ!」

なんで今さら、そんなこと言うの?
だったらなんであの時、ハッテン場で俺を突き放したの?

そもそも古橋さんが悪いんじゃん。
誰にも抱かせたくないなら、ちゃんと俺のこと繋ぎとめておいてよ。振っておいてそりゃないよ。

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