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夜来香 ~若叔母と甥の危険な関係~
第14章 餓鬼
「えっと…あ、こっちか…」
俺はスマホのマップを見ながら歩き出した。
【陽翔が夢中になるのも分かるな…確かに一般的には美人でスタイルも抜群だもんな…】
駐車場を出ると大きな道を右手に曲がった。
歩道はアスファルトではなくタイル張りの道だった。
この辺りではわりと有名なオフィス街で幾つもの背の高いビルが建ち並んでいる。
街灯も定間隔に配置されていて、オレンジ色の光に視界は悪くはなかった。
歩き難いのだろう。
俺がマップを頼りに歩いていると時折リードが突っ張った。
「引っ張んないでよ……」
「あぁ…道がよく分かんなくて…何処に向かってるか分かります?…」
タイル張りの道とはいえ膝をついて傷など作りたくはなかった。
両手足で歩こうとするとどうしてもお尻が高く上がってしまう。
歩幅も狭い、本当に歩き難い。
まるで以前の会社に向かっているようだった。
【でもなんで?…】
「ねぇ、あんたっていったい何なの…私に何をさせたいわけ……」
四つん這いのまま立ち止まって、まったく滑稽だ。
「ん?…質問返しっすか…まぁ、楽しいからっすかね……で、知ってるビルがあるでしょ…賢い犬なら道案内してくださいよ…」
【だからなんであんたが私がここで働いてたこと知ってんだよ……】
前を歩きたくはなかった。
黙って動かないとリードが引っ張られる。
私は抵抗しようと踏ん張った。
【これじゃほんとに聞き分けの悪い犬みたいだ……】
「身体…擦り剥けてもいいんすか…」
これじゃ首にも痕がついてしまう。
私は自ら前に出た。
なるべく腰を落とす。
本当に歩き難い。
「もっとケツ振ってよ…そんなにへっぴり腰じゃ老犬みたいっすよ…」
【くそ…噛みついてやりたい……】
その時、前の方から話し声が聞こえてきた。
それは俺にも当然聞こえていた。
興奮に口角が上がっていく。
「きたきたきた…やっぱ露出は視られてなんぼっすよね…」
四つん這いの女が立ち上がろうとする。
折ればリードを短く持ってそれを許さない。
「何してんの…」
「だって人が…お願いっ…隠れなきゃ……」
前方に人の姿はない。
おそらくあの角を曲がってこっちに歩いて来てる。
話し声はどんどん近づいてくる。
私は四つん這いのまま逃げようとした。
短く持たれたリードが突っ張るだけで動けなかった。
俺はスマホのマップを見ながら歩き出した。
【陽翔が夢中になるのも分かるな…確かに一般的には美人でスタイルも抜群だもんな…】
駐車場を出ると大きな道を右手に曲がった。
歩道はアスファルトではなくタイル張りの道だった。
この辺りではわりと有名なオフィス街で幾つもの背の高いビルが建ち並んでいる。
街灯も定間隔に配置されていて、オレンジ色の光に視界は悪くはなかった。
歩き難いのだろう。
俺がマップを頼りに歩いていると時折リードが突っ張った。
「引っ張んないでよ……」
「あぁ…道がよく分かんなくて…何処に向かってるか分かります?…」
タイル張りの道とはいえ膝をついて傷など作りたくはなかった。
両手足で歩こうとするとどうしてもお尻が高く上がってしまう。
歩幅も狭い、本当に歩き難い。
まるで以前の会社に向かっているようだった。
【でもなんで?…】
「ねぇ、あんたっていったい何なの…私に何をさせたいわけ……」
四つん這いのまま立ち止まって、まったく滑稽だ。
「ん?…質問返しっすか…まぁ、楽しいからっすかね……で、知ってるビルがあるでしょ…賢い犬なら道案内してくださいよ…」
【だからなんであんたが私がここで働いてたこと知ってんだよ……】
前を歩きたくはなかった。
黙って動かないとリードが引っ張られる。
私は抵抗しようと踏ん張った。
【これじゃほんとに聞き分けの悪い犬みたいだ……】
「身体…擦り剥けてもいいんすか…」
これじゃ首にも痕がついてしまう。
私は自ら前に出た。
なるべく腰を落とす。
本当に歩き難い。
「もっとケツ振ってよ…そんなにへっぴり腰じゃ老犬みたいっすよ…」
【くそ…噛みついてやりたい……】
その時、前の方から話し声が聞こえてきた。
それは俺にも当然聞こえていた。
興奮に口角が上がっていく。
「きたきたきた…やっぱ露出は視られてなんぼっすよね…」
四つん這いの女が立ち上がろうとする。
折ればリードを短く持ってそれを許さない。
「何してんの…」
「だって人が…お願いっ…隠れなきゃ……」
前方に人の姿はない。
おそらくあの角を曲がってこっちに歩いて来てる。
話し声はどんどん近づいてくる。
私は四つん這いのまま逃げようとした。
短く持たれたリードが突っ張るだけで動けなかった。