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夜来香 ~若叔母と甥の危険な関係~
第14章 餓鬼
「今日は解放してくれるんだ……で?…これからも私に付きまとうわけ?……」

私だってまだ肩が上下している。
それでも、呼吸を抑え気丈に少年を睨んでいた。

肩をすくませる少年は私から視線を外しながらも強がってみせる。

「どうっすかね…したくなったら呼び出すかもっすけど…当分はごめんすよ…」

「なんだよ…私の勝ちなんだろ……男らしく諦めてくんないかなぁ……」

明らかに少年から刺々しさは消えていた。

「弱味を握ってんのは俺なんすけどね…はぁ~あ……ま、結奈さんとのセックスはつまんないんで、もうどうでもいいんすけどね…」

「はぁ?…良すぎるの間違いだろ……」

私も憎々しさが軽くなっていた。

「調子こかないでくださいよ……ていうか、実は趣味じゃないんすよね…陽翔が夢中なんで…俺はもっとムッチリした女が好みなんすよ……結奈さん…スタイル良すぎっていうか…エロ過ぎなんで……」

少年はチラッと私を視て一瞬照れ臭そうに笑った。
私も顔を俯かせて小さく笑みを溢していた。

「ねぇ…私のLINE誰に聞いたの?……」

「教えられないっすね…情報源は守らなくちゃならないんで……あ、でもマジで陽翔じゃないっすよ…」

【なんだよ、それ…でも信じるよ……】

「もうしないんならシャワー浴びて寝るよ……あんたは?……朝送ってやろうか?……」

私もこのくらいの歳の時は無断外泊なんてしょっちゅうだった。

「いや…大丈夫っすよ…襲われても困るんで…」

「どの口が言うんだよ…クソガキ……」

私も一人になりたかった。
本気で忌み嫌っていたのは間違いない。
セックスが良かったからといって許す気にはなれないのも本当だった。

「二度と連絡してくんなよ……」

そう告げて私はシャワーを浴びに浴室に消えた。
疲れを癒すようにゆっくりと身体を暖めた。
バスタオル姿で浴室を出ると、少年の姿はなかった。

私は…んん~っと伸びをする。

「陽翔…ほんとにごめん……でも、もう大丈夫だから…許して……」

そう呟きながら、飯田健人のLINEをブロックした。
たぶんもう連絡はしてこないと思った。
謎は残ったままだったが、今は考えることを放棄する。

「くそ…片づけていけよな……」

あいつの使用済みのコンドームがベッドに、床に落ちていた。
私はゴミ箱に放り込むと…使わなかったベッドに寝転がった。
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