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夜来香 ~若叔母と甥の危険な関係~
第16章 アトリエ
僕は夢中で鉛筆を走らせた。
このアングルからのデッサンを終わらせてもすぐにページを捲った。

【部長の胸をものにするんだ…次は反対からも…】

ベッドから降りて回り込む。
顔もそうだ。
左右からその人の顔は違う。
胸もそうだった。

鉛筆を滑らせるほどに僕の体温は上昇していく。
先輩が身じろぎひとつしないことにも気づかない。
またページを捲ると、僕は両膝をベッドにつき、先輩の目の前に立っていた。

藤沢くんの息がどんどん上がっていく。
彼の目がずっと私の乳房を見つめている。
左から…右から…そして私の目の前にきた。
上から乳房を見下ろして、鉛筆を動かしていく。
私はスケッチブックを構える彼の下に視線を落とした。

【気づいてますか?…こんなに大きく腫らして……あなたは何にそんなに興奮しているんですか?……】

次はどちらを選択するのか?
ブラを取れと言いますか?
それともスカートを脱いでとお願いするんでしょうか?

「はぁ…はぁ…できました…」

まだ始まったばかりなんだと思う。
それなのに僕はすごく消耗したかのように息を上げていた。

「藤沢くんが納得したのならかまいません…今日の最後にそのスケッチブックを見せてください……だから、続けましょう……」

「はい…わかりました……次は……」

僕は悩んだ。
描き終えた下着の胸姿…その下にある生の乳房を描くのか。
それとも、先輩全体をひとつずつ剥くように描いていった方がいいのか。

「ブラウスを脱いでください…」

先輩は黙って従う。
描き手の言うことは絶対なのか?
覚悟を決めても、初めてのことにやはり戸惑っていた。

「スカートはどうしましょうか?……」

【それは下を描けってこと?…】

やはり解らない。
何が最適解なのか…その戸惑いを先輩は見抜いてしまう。

「藤沢くんが私の何を描きたいかです……」

【何?…何って…僕は部長のありのままを綺麗に……最初は制服姿を描いてた…でも上っ面だけじゃ足らないから……】

そうだ…

「部長…もし許してもらえるなら…その…スカートの中を描かせてもらえませんか?…」

ブラウスを脱げと言っておきながら…
でも、もっと神聖な場所に思えて…遠慮がちにお願いしてみた。

「藤沢くんが望むなら…モデルの私は応えます…人物画って画家とモデルの協力無しには完成しないと思ってますから……」
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