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夜来香 ~若叔母と甥の危険な関係~
第21章 章間⑦
僕は結奈さんの言葉に泣きそうだった。
母と父がいることでなんとか抑えることができたのかもしれない。
【なんだったんだよ…この数ヵ月は……僕の想いは伝わってる筈なのに……本当にひと夏の思い出で終わらせるつもりなの?…】
仕事のことはよくわからない。
起業して結奈さんが社長になるのは、そりゃ対辺なことなんだろう。
もっともっと、これからも結奈さんと親密になりたかった。
きっと我が儘なんだろう。
でも僕はそれだけで胸が一杯だった。
言葉が出てこなかった。
「結奈…貴女の事情はよくわかったわ…元々仕事をしていなかったからこちらも頼んだわけだから……」
【インフルエンザなんて嘘……私には貴女があの時何してたのか解ってるんだから……】
夫がいなければ、二人きりで問い詰めてやろうと思っていたのに…息子が目の前でこんなに辛そうにしてるのに…やはり言葉に詰まってしまった。
収束を図ってくれたのはやはり義兄だった。
「まぁ、二人とも…この先会えなくなるわけじゃないんだから……正月やお盆にはまた実家で会うこともあるだろうしな…ここは結奈ちゃんを応援してあげようじゃないか…」
私は義兄の言葉に乗っかっていった。
「お義兄さん、ありがとうございます……姉さんも陽翔もごめんね……陽翔、これ…1年生の範囲はこのデータで勉強できると思うから……進路は二人とも相談して決めていくといいと思う……私も応援してるから……」
【これでいい…これで陽翔とは本当に終わりだ……】
陽翔に用意していたUSBを手渡した。
手と手が触れあう。
あれ?…
私の頬を涙が伝っていった。
私は慌ててそれを隠した。
陽翔にはバレていないと思う。
でも義兄と姉には解らない。
【なんで結奈が泣くのよ…いったい貴女は陽翔をどう想ってるっていうの?……】
「結奈…今までありがとう……。陽翔も結奈にお礼言って……学年トップ10に押し上げてくれたんだから……」
姉は気づいたようだった。
私ではない、陽翔を想ってのことだろう。
「う、うん…結奈さん…ありがとね……それから、中間テストが終わったら文化祭があるんだ…作品、もうすぐで完成する……もし時間があったら観に来てよ…」
「う、うん…わかった……じゃ、頑張ってね……」
私は静かに立ち上がり、もう一度頭を下げた。
ほんの小一時間の滞在で藤沢家を後にした。
母と父がいることでなんとか抑えることができたのかもしれない。
【なんだったんだよ…この数ヵ月は……僕の想いは伝わってる筈なのに……本当にひと夏の思い出で終わらせるつもりなの?…】
仕事のことはよくわからない。
起業して結奈さんが社長になるのは、そりゃ対辺なことなんだろう。
もっともっと、これからも結奈さんと親密になりたかった。
きっと我が儘なんだろう。
でも僕はそれだけで胸が一杯だった。
言葉が出てこなかった。
「結奈…貴女の事情はよくわかったわ…元々仕事をしていなかったからこちらも頼んだわけだから……」
【インフルエンザなんて嘘……私には貴女があの時何してたのか解ってるんだから……】
夫がいなければ、二人きりで問い詰めてやろうと思っていたのに…息子が目の前でこんなに辛そうにしてるのに…やはり言葉に詰まってしまった。
収束を図ってくれたのはやはり義兄だった。
「まぁ、二人とも…この先会えなくなるわけじゃないんだから……正月やお盆にはまた実家で会うこともあるだろうしな…ここは結奈ちゃんを応援してあげようじゃないか…」
私は義兄の言葉に乗っかっていった。
「お義兄さん、ありがとうございます……姉さんも陽翔もごめんね……陽翔、これ…1年生の範囲はこのデータで勉強できると思うから……進路は二人とも相談して決めていくといいと思う……私も応援してるから……」
【これでいい…これで陽翔とは本当に終わりだ……】
陽翔に用意していたUSBを手渡した。
手と手が触れあう。
あれ?…
私の頬を涙が伝っていった。
私は慌ててそれを隠した。
陽翔にはバレていないと思う。
でも義兄と姉には解らない。
【なんで結奈が泣くのよ…いったい貴女は陽翔をどう想ってるっていうの?……】
「結奈…今までありがとう……。陽翔も結奈にお礼言って……学年トップ10に押し上げてくれたんだから……」
姉は気づいたようだった。
私ではない、陽翔を想ってのことだろう。
「う、うん…結奈さん…ありがとね……それから、中間テストが終わったら文化祭があるんだ…作品、もうすぐで完成する……もし時間があったら観に来てよ…」
「う、うん…わかった……じゃ、頑張ってね……」
私は静かに立ち上がり、もう一度頭を下げた。
ほんの小一時間の滞在で藤沢家を後にした。