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夜来香 ~若叔母と甥の危険な関係~
第21章 章間⑦
「戻ってらしたんですね…すみませんこの度は……」

「急に本社に報告することがあってね……まぁ、さっき聞いたよ…二人とも待ってるから…さ、上がって…」

義兄はいつも通り穏やかな口調だった。
私は靴を脱いで廊下を歩いていく。

リビングに入ると、奥のダイニングテーブルに姉と陽翔が座っていた。

「お邪魔します……」

声をかけると背中を向けていた陽翔が立ち上がった。

「結奈さん……」

どこか泣きそうで…久しぶりに会えたことにすこし嬉しそうな複雑な表情をしていた。

私は控えめな笑みを向けると義兄についていった。
姉はやはり怒っているように思えた。
柔和な姉がここまで怒るとはちょっと驚いた。
姉の秘密などこの時の私は知るよしもないのだから。

義兄が姉の腰を下ろすと、陽翔も持ち上げた腰を下ろした。
私は立ったまま、深々と頭を下げていく。

「本当に急でごめんなさい…でもね、私も仲間と忙しくなるの…だからすれ違いもあってちゃんと陽翔にも話せなかったけど解ってほしいの……」

「立ってないで座って……」

姉がようやく口を開いた。
私は陽翔の横に腰を下ろした。

「陽翔…結奈ちゃん今度会社を作るんだって母さんから聞いてるだろ…」

義兄が穏やかに話し始めると姉が口を挟んだ。

「陽翔だって解ってるわよ…なんで電話1本で辞めようとしたの?…私はそれを怒ってるの……」

「感情的になるなって…」

義兄が宥めてくれる。
私は姉ではなく、陽翔の方に向けて語りかけていく。
まさか本当のことなど言えるはずもない。

「ごめんね陽翔……あの時私もインフルエンザで…すごく熱が上がってて…ちょっとおかしかったんだ……それから新しい仕事のことでバタバタしちゃって……ほんとにごめんなさい……」

陽翔だってこれで納得するわけないと解っていた。
だから義兄の存在が有難かった。
誰も感情的にならずに済む。

「わかったよ…でも、落ち着いたらまたカテキョしてよ…週に一回、難しいなら定期テストの時だけでもいいから…僕、それまで一人で頑張って待ってるから……」

「ごめんね…仲間とと言っても私が社長になるんだよ……副業なんてできないし…そんな生半可な気持ちで会社の代表なんてできやしないよ……」

【陽翔よりでっかいチンポによがり狂ってるのにね……】

私は半分真実を、半分嘘を並べていた。
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