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夜来香 ~若叔母と甥の危険な関係~
第5章 章間①
叔母曰く…

『溜め込んでおくこと……』

とのことだった。

【きっと抜いてもらえる……】

三日連続授業終わりに手で抜いてもらっていた。
次の家庭教師の時にはテストの結果も出ている。
叔母の納得いく結果だったらまた口でしてくれるだろうか。

『ご褒美は何がいい?……』

【あの叔母の色っぽい声でそんなことを囁かれたら…】
 
僕はその答えを幾通りも用意していた。
   
教室にチャイムの音が鳴った。
最終教科の数学も自信がある。
名前を確かめ、後ろから回ってきた答案用紙に自らのを重ね前に送った。

監督教師から…「お疲れさん、今日はゆっくり休めよ。」と有難いお言葉。
寧ろ、僕にはこれからの一週間が地獄なのだ。
中間テストの最終日の金曜日は家庭教師は休み。
だから溜め込んでおけと言われたのだが…。

【結奈さん…会いたいよ…】

「陽翔…どうだ?…これからゲーセンにでも行かないか…」

項垂れる僕に声をかけてきたのは幼馴染みの飯田健人だった。

「なんだよ…健人サッカー部は?…」

僕はだるそうに返事をした。

「お前んとこの美術部だって今日まで休みだろ?…一緒だよ…」

そうだった。
テスト期間中部活の休みはしっかりと最終日までカウントされていた。

「パス…眠いんだよ…帰って寝る…」

僕は素っ気なく答えた。
眠いなんて嘘だ。
部活休みが最終日まで入っているなら、オナ禁も明日からということだ。

【悪いな健人…今日は抜きまくらなきゃいけないんだ…】

「なんだよ…家庭教師雇ってから益々付き合い悪いな……ま、いいや…またな……」

ホームルームで担任が教室に入って来ると健人は退散していった。

【あれ?…健人にカテキョのこと話したっけ…】

あまり深く考えることなく、ホームルームが終わると僕は一目散に家へと帰っていった。

帰宅途中、母からLINEが届いた。
パート先で急遽欠勤が出て残業になるらしい。
ピザでも取って夕食を済ませてとのことだった。

【ラッキー…ほんとに抜き放題じゃん…】

母に、頑張って…とLINEを返す。
帰宅の足取りが軽くなっていた。     

それからの一週間、まさに拷問のような時間だった。
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