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背徳の障壁とその先にある翡翠
第2章 翡翠の肖像と悪夢の障壁
あの事件が起こってからこの街も騒がしくなってきた。
俺は休暇をとった初日にいつものように、あのドーナツ屋に向かう。
また巨漢のジョンのあの与太話を永遠と聞かされるのかと覚悟を決めていた。
ガランッ…やあ、おはようジェシカ。
ニューヨークタイムズあるか?
そろそろ来るかと思ってカウンターに置いてあるでしょう?
…とジェシカは顎の先をクィッとさせた。
そこには、刷り立ての匂いを漂わせた新聞がたたんでおいてあった。
いつものでいいんでしょ?
ああ。すまないな。
マーカスは周りの静まり返り方に違和感を感じた。
あれ?ジョンはまだ来てないのか?
ええ、まだよ。
珍しいこともあるもんだわ。
マーカスも私服なんて珍しいじゃない。
ああ…
マーカスはジェシカに事情を打ち明けた。
普段は寡黙なマーカスだが小さな街だ。
いずれはバレると思った。
どうせ休暇中の身だ。 
ジョンの様子でも見てくるよ。
休暇中なのに。
少しは仕事のことは忘れなさいよ。マーカス
ああ
マーカスは乗り慣れたFordのドアを開けるとエンジンをかけた。
アクセルを吹かすと心地よいエンジン音が響く。
先日修理から戻ってきたばかりだから調子がよい。
なんでもラジエーターがイカれていたらしい。
部品の取り寄せに時間がかかるからと応急処置をしてもらっていた。
まだまだイケそうだな。
頼んだよ、相棒!
やぁ!マーカス。
声をかけてきたのは、この街の生き字引のフランク。
ジョンのところに行くつもりならやめときな。
どうしたんだい?
フランクの話しによると、こうだ。
ここ数日、ジョンの姿を街でめっきり顔を見せなくなったことを心配したフランクが彼ら夫婦の住む自宅に寄ってみたそうだ。
外見はいかにもアメリカの古くからあるような趣きある重厚な造りをしている。
庭には、ジョンの妻のアニーが植えた花が綺麗に咲いている。
プレイスペースもあるが、子供たちも大学へ進学し家を出たため、野ざらしに近い状態になっており、幼きときに使ったであろう三輪車や子供用の自転車が、錆びた状態で壁に立てかけてあり、今にも倒れそうになっている。
ジョンは子煩悩で、よく一緒に遊んでいるのを見かけた。
その頃にできた傷が今だに冬になると疼くらしい。
フランクもサマータイムが始まったから、ジョンの巨漢にとっては外を出ることに、ものすごいエネルギーを消費する。
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