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背徳の障壁とその先にある翡翠
第2章 翡翠の肖像と悪夢の障壁

ワシは居た堪れなくなって飛び出してしまった。
そんなワイフの姿を見たくなかったんじゃ。
半日は彷徨うようにあてもなく飲み歩いた。
帰ったら、ジョンのお母さんが来ておった。
2人は古くからの友人でお茶友達だったからのぉ。
ここ半日、うちのワイフから連絡もなし。
姿も見なかったから心配で訪ねた。
そのときには、もう手遅れだった。
ワシが飲み歩いていたときにすれ違うように。
何でワイフの病気に気づいてあげれなかったのかと
後悔したよ。しかし、遅い。遅すぎたんじゃよ。
だからの…おまえさんが心配なんじゃ。
アリエルはフランクの話しをただジッと聞いていた。
マーカスはあの通り、仕事人間で周りが見えなくなるようなヤツじゃ。
おまえさんを放ったらかして仕事にばかり打ち込んでるようだし。
フランク…ありがとう。
でも私なら大丈夫よ。
いつものことですし、わたしも警官の妻です。
わきまえるところはきちんとわきまえてます。
おまえさんは我慢して自分の気持ちを押し殺して耐えるタイプの人間。
何かあったらいつでも言ってきなさい。
誰かに相談する勇気もときには必要なんじゃよ?分かるかな?
ええ…。
フランクに自分の気持ちを見透かされたようで、内心ドキドキしていた。
しかし、アリエルは誰にも相談などは決してしない。
自分の中で解決してしまうような人間である。
幼少期からそうだった。
ジョンの奥さんのアニーとも仲が良かった。
学生時代からの友。
そんなアニーにさえ、当時好きだった男の子のことを打ち明けることはしなかった。
それにひきかえアニーは違う。
彼女はわたしとは違う。
わたしがこうなってしまったのは学生時代のことが要因だと思う。
あることを引き金にトラウマになり、自分の殻に引きこもってしまった。
アニーもアリエルも悪びれるような人柄の性格。
気が合う仲間でよく連れ立って行動していた仲であった。
お互いを尊重しあい、お互いが相手に気を遣い譲ってしまうようなタイプ。
ぶつかることは決してない。
しかし、恋愛は別。好きな人のことに関してはお互いに一歩も引かない。
どちらかが譲るしかない。
そういう場合は、決まってアリエルが引いてしまう。
そんな心の葛藤がアリエルを形成してしまったと言える。
アニーも陰では泣いていたのかもしれない。
そう思うと自分の気持ちを咎めてしまう。
自分に自信がない…はぁ
そんなワイフの姿を見たくなかったんじゃ。
半日は彷徨うようにあてもなく飲み歩いた。
帰ったら、ジョンのお母さんが来ておった。
2人は古くからの友人でお茶友達だったからのぉ。
ここ半日、うちのワイフから連絡もなし。
姿も見なかったから心配で訪ねた。
そのときには、もう手遅れだった。
ワシが飲み歩いていたときにすれ違うように。
何でワイフの病気に気づいてあげれなかったのかと
後悔したよ。しかし、遅い。遅すぎたんじゃよ。
だからの…おまえさんが心配なんじゃ。
アリエルはフランクの話しをただジッと聞いていた。
マーカスはあの通り、仕事人間で周りが見えなくなるようなヤツじゃ。
おまえさんを放ったらかして仕事にばかり打ち込んでるようだし。
フランク…ありがとう。
でも私なら大丈夫よ。
いつものことですし、わたしも警官の妻です。
わきまえるところはきちんとわきまえてます。
おまえさんは我慢して自分の気持ちを押し殺して耐えるタイプの人間。
何かあったらいつでも言ってきなさい。
誰かに相談する勇気もときには必要なんじゃよ?分かるかな?
ええ…。
フランクに自分の気持ちを見透かされたようで、内心ドキドキしていた。
しかし、アリエルは誰にも相談などは決してしない。
自分の中で解決してしまうような人間である。
幼少期からそうだった。
ジョンの奥さんのアニーとも仲が良かった。
学生時代からの友。
そんなアニーにさえ、当時好きだった男の子のことを打ち明けることはしなかった。
それにひきかえアニーは違う。
彼女はわたしとは違う。
わたしがこうなってしまったのは学生時代のことが要因だと思う。
あることを引き金にトラウマになり、自分の殻に引きこもってしまった。
アニーもアリエルも悪びれるような人柄の性格。
気が合う仲間でよく連れ立って行動していた仲であった。
お互いを尊重しあい、お互いが相手に気を遣い譲ってしまうようなタイプ。
ぶつかることは決してない。
しかし、恋愛は別。好きな人のことに関してはお互いに一歩も引かない。
どちらかが譲るしかない。
そういう場合は、決まってアリエルが引いてしまう。
そんな心の葛藤がアリエルを形成してしまったと言える。
アニーも陰では泣いていたのかもしれない。
そう思うと自分の気持ちを咎めてしまう。
自分に自信がない…はぁ

