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生きること、思うこと
第348章 香典帳

ですが、もう20年も前の事なのです。
節目と言えば節目になります。
全部裁断したところ、20Lのゴミ袋にいっぱいになりました。
香典帳を処分していた時に、葬儀の時の写真も出てきました。
サムネイルになっていたのでルーペがないとちょっと良く分かりませんでした。
今度100均でルーペを買ってこようと思ったのです。
葬儀の時の写真だけではありませんでした。
私が産まれてから直ぐの時に母に抱きかかえられて撮った写真なども出てきたのです。
懐かしさと母の若かりし頃の姿を写した写真です。
何だか心に“ジーン”と来てしまいました。
母がまだ23歳頃の写真です。
そして、それだけでなく私の母の母、すなわち祖母の写真も出てきたのです。
思わず「おばあちゃん…」と写真を見て呟いてしまいました(笑)
私は祖母が大好きでした。
それと、母の兄弟姉妹の集合写真も出てきたのです。
その集合写真には赤子の私も写っていたのです。
それを見るととても懐かしく、嬉しくなりました。
まだ赤子なので記憶はありませんでしたが、私が産まれた事を本当に喜んでいる母の姿をその写真で見て取れたのです。
それくらいに私は両親に望まれて、望まれて生まれてきたのです。
そして、沢山の愛情を注がれて育ちました。
確かに晩年の父はアルコールが入るとDVになったりしていましたが、亡くなってしまった後はすんなりと私は父の事も許せたのです。

